RE Model car Museum

1/43RE車ミニカーBLOG

'75 マツダ ロードペーサー

オイルショック前夜のマツダ
モータリゼーションをもじった
ロータリーエンジン(RE)普及政策、
ロータリーゼーションを推進していました。

そして、幅広い車種にREを搭載していくのですが
極め付けはこのショーファードリブンで
ルーチェと同じ13Bを載せたフラグシップ、
ロードペーサーを送り出します。

マツダ ロードペーサー 1/43 ノレブ製

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当時の高級車と言えば
ドイツ車よりもまだアメ車の時代。

そこで高級車を一から開発する
体力のなかったマツダ
右ハンドル圏で流用が容易と思われた
オーストラリアのGMホールデン・プレミアの
ボディと足回りを輸入しました。

それに逸早く昭和50年排出ガス規制
(日本版マスキー法)に対応したREを搭載し、
高級車としての内装を仕立てたのですが……

言うまでもなく大失敗。
今では屈指のカルトカーとして
名を轟かすことになってしまいました。


ただでさえ低速トルクが薄いロータリー。
当時はもちろんノンターボです。
それで1500kgを超す大柄なボディを動かすのは
やはり無茶があったのです。

更にそのパワー不足をカバーする為に
3速ATで高回転域を使う必要があり、
ベース車のV8エンジンよりも
燃費は劣悪なものとなりました。

また、その大柄なボディもアメリカの区分では
インターミディエイトクラスの中型の大衆車です。
手直しをしているとはいえ、
内装の質感ではライバルに劣るのでした。

そして決定的なのは
ショーファードリブンとして既に実績のある
トヨタセンチュリーや、
日産プレジデント以上の高価格。

例えば三菱デボネアであれば、
グループ内の社用車として生きる逃げ道も
少なからずありましたが、
マツダではそれも出来ないのです。

……これには目も当てられません。

バブル期のマツダ暴走がクロノスの悲劇ならば、
ロータリーゼーションが生み出した悲劇が
このロードペーサーなのでした。


まさかこれがミニカーで出るとは思わず、
国産名車コレクションで
この号は単独購入したのを覚えています。
前述の通り、かなりのカルトカーですからね。

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さて、押し出しの強いグリルの形状は
後のコスモAPやルーチェレガート、
2代目カペラ、3代目ファミリア等と
通じる70年代後半共通のマツダ顔です。

このグリルは外装でプレミアから
作り直された数少ない部分になりますね。

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恐竜的進化のピークを過ぎて
この時期からおとなしくなっていった
アメ車のデザインは
意外にもスクエアでクリーンですから、
サイズ以外は70年代後半の
他のマツダ車と並べても
意外と違和感がありません。

個人的にはこのロードペーサーで
13B改ドラッグ仕様とかやってしまうと
本場感出て最高にかっこいい……
と思ってしまいました。
ミニカーでそういう遊び方も
ありかも知れません。

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当時のマツダはこのロードペーサーを筆頭に
ロータリーゼーションの暴走振りは凄まじく、
軽自動車でのシングルローターRE搭載計画や
車重2800kg、乗車定員26名のマイクロバス、
パークウェイへのロータリー搭載など
斜め上の方向に突っ走っていました。

そうして、ロータリー普及を焦るあまり、
ロータリーに不向きな車種にまで
展開を広げてしまったことが、
オイルショックも重なったこともあって
その後の経営にダメージを与えたのです。


結局、ロードペーサーの生産台数は僅か800台、
実生産期間は2年の短期間で1977年には終了。
1979年には前述のオイルショックによる
ロータリーゼーション失敗の経営難から
フォード傘下に入ることとなり、
車種整理されて販売も終了してしまいました。

フォード傘下でGMボディのクルマの
販売は難しかったのもあるかと思います。


商業的には失敗した
ロータリーゼーションの粋とも言える
ロードペーサーではありますが、
少量生産で設備投資も僅かだったことが幸いし
経営に与える影響も少なかったようです。
後のクロノスと違い、
戦犯とはならなかったのです。

 

私としてはオイルショック後で
マーケティング上厳しいことは明白なのに
何故、発売を強行してしまったのか
理解しかねる部分がやはりあります。

もしも、その辺りご事情詳しい方いましたら
是非教えて下さい。

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