'90 マツダ サバンナRX-7 GT-R ライトチューン
サバンナRX-7(FC3S)後期型の
エントリーグレードがGT-Rです。
標準的な装備のGT-Xと比較すると
LSD無し、リアスポイラーレス、
スチールホイール、スチールボンネット、
内装類簡略化(ウレタン巻きステアリング等)
となって、コストダウンが図られています。
チューニング前提ではアフター品に
変えられることが多い部分を削った
いわゆる走り屋向きのグレードですね。
しかし、あのGT-Rの名を
最下位グレードにつけてしまうあたり、
スカイラインへの当てこすりを感じたのは
私だけではないはず……
マツダ サバンナRX-7 GT-R ライトチューン 1/43 ディズム製
このミニカーは
そんなGT-Rのよく見かけたような
ライトチューンを再現しています。
お送りするのは模型界の狂犬の異名をとる
アオシマのミニカーブランド、ディズム。
ライトチューンのメニューは至ってシンプル。
外観で分かる部分は純正スポイラー追加と、
重いスチール製のデュアルマフラーから
片側1本出しステンレスマフラーへの交換。
そして、5本スポークアルミホイールの
交換がされています。
そして、この5本スポークアルミホイールは
あのスカイラインGT-R(R32)のホイールを
意識しているのではないかと思っています。
というのも、FCの現役時はともかく、
私が知る90年代後半の時期には確かに
R32GT-Rのホイールを履いていたFCが
本当に多かった気がするのです。
R32GT-Rは17インチ以上を余裕で履きこなす
ポテンシャルがありましたし、
結構な数の交換された純正アルミホイールが
中古で流れていたんですね。
このホイールはBBSホイール製造元の
ワシマイヤー(現BBSジャパン)の製造で
鍛造アルミ製の強度と軽さは折り紙付きでした。
FCは上級グレードでも
205/55R16タイヤと
16インチ6.5JJホイール オフセット+52.5
対してR32GT-Rは
225/50R16タイヤと
16インチ8JJホイール オフセット+30
これを交換すると絶妙なワイドさが
ツライチでバシッと決まって格好良かった。
しかしGT-Rが本家GT-Rからアルミホイールを
拝借していたとはまた皮肉ですよね。
確かにFCに似合っていましたので、
それがまたなんとも……
あとは見えない部分になりますが、
走り屋仕様ならばやはり機械式LSDと車高調、
トーコンキャンセラーは
きっと入れていただろうと思います。
トーコンキャンセラー?
そうなりますよね。
これとロータリーエンジンの説明は
文系の私はいつも苦労するのです……
では、気を取り直して。
FCに特に顕著なマツダFR車の独特の機構に
トーコントロールという概念があります。
具体的にはコーナリング中に
一定以上の横Gの入力をうけて
サスペンションブッシュがたわんで
後輪の旋回外輪をトーインに傾ける機能です。
当時流行の4WS的なものですね。
これによってコーナリングフォースを増して
唐突に滑り出すことがなく踏ん張りがきいて
良く曲がるという理屈ですが、
その反面滑り出しも読みづらく
加速時の縦方向のGにもブッシュが悪さをして
限界付近ではコントロールがしにくいのです。
そこでこのゴムブッシュをピロブッシュに変えて
トーコントロール機能を殺すのが、
FCの定番の足回りチューンとして
確立していたのでした。
高橋涼介仕様も格好良いですが、
走り屋仕様としてのアンフィニIIIは
キャラ付けとしてはともかく現実感が希薄です。
その点このGT-Rは
大多数の定番チューンの背景を
想像させてくれるのが面白いミニカーなのでした。