'70 マツダ RX-500 (2)
RX-500は発表同年の1970年、
東京モーターショーにボディカラーを
グリーンからイエローに再塗装され出展。
トヨタEX-7、いすゞベレットMX1600と共に
スーパーカー的なスタイリングで
話題をさらいました。
マツダ RX-500 東京モーターショー 1/43 スパーク製
ライトグリーンからイエローに
変わったことで随分とスポーツカー的な
イメージなりました。
やはり、レッドとイエローは
スポーツカーの定番色ですね。
イエローは日本では不人気なのか、
すぐにカタログ落ちしたり
そもそも設定がないことも多いですが……
正面から見たスタイリングは
飛行機のキャノピーのような
ウインドウグラフィックから、
ランチアストラトスを想起させます。
ライトグリーンに塗られていたときに
貼られていたRX-500のエンブレムは
塗り替えと同時に外されたのでしょうか。
また、ライトカバーから
リトラクタブルヘッドランプのように
思われますが、実際はただのカバーで
内部までは作りこまれていません。
RX-500は実走も出来るように
当時、マツダでもっともハイパワーで
実績のあったレース用エンジン10Aペリを
登載していましたが、
そのアルミホイールは
展示用の間に合わせのハリボテでした。
実走時にはスチールホイールに
履きかえることを想定していましたが、
モータージャーナリストで
自動車雑誌カーグラフィック創設者の
小林彰太郎氏が展示用アルミホイールで
走り出してしまった為、現場のマツダ社員が
慌てたという逸話が残っています。
ドアはスーパーカーのお約束の
ガルウイングドアになります。
非日常的なコンセプトカーの
雰囲気に一役買っていますね。
こうしてみると、同時期に発表された
国産他社のコンセプトカーに比べて
非常にわかりやすい格好良さを
もっていたのではないのかと思っています。
'70 マツダ RX-500 (1)
RX-500はコスモスポーツの後継車を模索する為
開発されたミッドシップレイアウトの
スーパーカー的なコンセプトカーです。
マツダ RX-500 1stカラー 1/43 スパーク製
マツダ50周年を意味して、
RX-500の名前が与えられています。
冗談でRX-7、RX-8……ときて
RX-78ガンダムが開発されるのはいつ?
なんてのがありますが、実はもうマツダは
とっくにその先を行くRX-500まで
開発済みだったということですね。
冗談はさておき、発表初期にはRX-500は
ライトグリーンに塗られていました。
マツダではこのライトグリーンは
古くは3代目ファミリア、初代サバンナRX-7、
新しいところでは3代目デミオ等
比較的良く使われる色のようです。
インパクトのあるリアセクションは
コーダトロンカ形状でまとめられ、
そのグラス越しにはスペアタイヤと
ファミリア・ロータリークーペの
スパ24時間参戦用レーシングエンジン、
10Aペリ(250ps)が鎮座しています。
ミドシップレイアウト実現の為には
ルーチェ・ロータリークーペの
FFレイアウト用のミッションが
流用されていて変速は4段MTでした。
熱対策の為か、
ボディサイドやリアの冷却用エアダクトは
無数に設けられています。
リアからの眺めはどことなく後年の
ホンダCR-Xを彷彿とさせますね。
少し横道に逸れますがRX-500の開発前後、
マツダでは多数のロータリー車の
コンセプトカーが開発されていました。
コスモスポーツ開発中に製作された
4ローター(400cc×4)エンジンの
走行実験車両のR16A。
そして、RX-500と同じく、
コスモスポーツの後継を模索して
開発されたX020G。
(ちなみに開発コードだとRX-500はX810)
大排気量の2ローター(1046cc×2)で
コーヴェット等の大排気量スポーツカーを
ライバルとして想定していました。
R16AとX020Gもちろん、
RX-500も量産には至らなかったのですが
その理由の一つが
量産車としては大きくなりすぎたとのこと。
とはいえ、その全幅は1720mm。
RX-7(FD)の全幅が1760mmですから、
時代を感じますが、この時代に3ナンバーは
現実的ではなかったのでしょう。
結局、量産の日の目を見たのは別のプラン、
開発コードX208ことコスモAPでした。
このクルマはまた別の機会に
ミニカーと共にご紹介したいと思います。
'08 マツダ 風籟
マツダ 風籟(フーライ)は
現行の魂動デザインの一つ前のデザインテーマ、
流(ナガレ)デザインの末期に
マツダUSAから発表されたコンセプトカーです。
マツダ 風籟 リミテッドエディション 1/43 スパーク製
魂動デザインが肉食動物の躍動を
モチーフにしているのに対して、
流デザインは気流や波紋などの自然を
モチーフにされています。
発表より2シーズン前にマツダが
アメリカンルマンシリーズ(ALMS P2クラス)で
採用したクラージュC65シャシーが与えられた為、
単なるモックアップではなく
プロトタイプレーシングカー風の
外見を裏切らない実走が可能でした。
エンジンは
3ローターロータリーエンジンのR20Bを搭載して
環境配慮したエタノール燃料で450馬力を発揮。
発表当時は次期RX-7のデザインのヒントは
風籟にあるようなことが言われていましたが、
結局は何の音沙汰もなく、流デザインは終了し
今に至っています。
2008年の発表後、
そのデザインで注目を集めた風籟でしたが、
2013年に英自動車番組トップギアに
貸出中に炎上事故という
ショッキングな出来事が発表され、
不幸にも再注目をされました。
続報では2013年に発表された事故は
なんと2008年に起こしていたことが明らかに。
ワンオフの貴重なレーシングカーが
事故で失われてしまうのはよく聞く話ですが
風籟はあまりにも短い命でした。
(トップギアHPより)
個人的には流デザインは
少々アクが強すぎて私は苦手なのですが
風籟は良い按配でまとまっていて大好きです。
それだけに事故で失われてしまったのは
本当に残念ですね……
ミニカー自体は
実車の塗装とステッカーが再現されたものと
ミニカーオリジナル仕様として
ロードバージョン風のガンメタ塗装、
テストカー風のマットブラック塗装の3種類。
私の所持しているものは
マットブラック塗装のものになります。
やはり、モーターショーに出展されていた
実車の仕様のミニカーが欲しかったのですが
人気が高く入手が出来なかったのを覚えています。
今回、BLOGに上げるにあたって
オークション等で出回っているかどうか
再度確認してみたのですが
履歴を見ても出品が少ない上にプレミア価格が
ついているようでした。
縁があれば是非、手元に置きたいモデルなのですが
当面の入手は諦めざる得ないようです。
ある意味、テーマが似通っている
コンセプトカーの風籟とLM55は
ミニカーで並べるとマツダのデザインテーマの
変革が見える面白い組み合わせです。
'15 マツダ LM55
早速ですが昨日、
久しぶりにミニカーを1台買いました。
(片付けるはずが1台増やしてしまった……)
マツダ LM55 ビジョン グランツーリスモ 1/43 モデラーズ製
グランツーリスモ6の企画
(http://www.gran-turismo.com/jp/products/gt6/vgt/)
で2014年末に発表されたクルマで
名前のLM55が示すとおり、
1991年のル・マンで総合優勝をした
787B 55号車をリスペクトしてデザインされた
プロトタイプレーシングカーのようです。
当初はゲーム内だけの存在だったのですが
2015年にはモックアップも制作されて
晴れてショーカーとして実車になりました。
つい先日の東京オートサロン2016でも
展示されていたクルマですね。
フェンダーのエア抜きやシャークフィン等
近年のプロトタイプレーシングカーの
トレンドに則りつつも、
フロントのシグネチャーウイングと
前後フェンダー周りの抑揚が
今のマツダ車のデザインテーマである
魂動デザインを踏襲しているのが分かります。
カラーリングは
白/黒に赤のアクセントが利いたものですが
マツダのワークスカラーと言えば
白/水色のイメージでしたので新鮮です。
最近のマツダHPやディーラーの設えを見ると
黒/赤を基本にしているようですし
ブランド戦略の一環でコーポレートカラーを
変えようと計画してるのかも知れません。
車体にはスカイアクティブ・テクノロジーの
ロゴが入っていますが
ゲーム内でもそのエンジンは
明らかになっていないそうです。
噂の次世代ロータリーエンジン、
スカイアクティブRとの記述もありません。
ですが、エンジンは間違いなく
ロータリーエンジン、それもマルチローターを
想定しているのではと思います。
名は体を表すとして、
LM55の名でエンジンはディーゼルです、では
カッコがつきませんからね。
ミニカー自体は、レジン製で
まるでミニ四駆を彷彿とさせる
未来感のあるスタイリングを良く表現しています。
フロントのエッジの造形がもう少しシャープで、
リアウイングのデカール処理が丁寧であったら
最高だったのですが、
1/43での表現ならこんなものでしょうか。
恐らく、今後近々に
ミニカーで次期ロータリースポーツカーの
デザインスタディ、RX-VISIONが出ると思います。
魂動デザインのショーカーとして、
レーシングカーのLM55とロードカーのRX-VISIONを
並べることが出来れば素敵だなと
今から楽しみにしています。